原始物狂の実践哲学!?

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ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』 聴き比べ

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 前回の記事にコメントを頂いたので、調子に乗ってまたUPしてしまいます。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』聴き古された名曲ですが、それだけに名盤が数多く世に出されています。
 そんな中で、ウィルヘルム・バックハウスワルターギーゼキングエドウィン・フィッシャーの3巨匠の演奏を聴き比べました。


 バックハウスによる本曲の演奏は、ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮によるものが名盤とされています。ですが私は、モノラルですがクレメンス・クラウス指揮による『皇帝』を高く評価します。
 彼の演奏の特徴ですが、何もしないのです。付け加える事も差し引く事もしない、余計な事はしないので曲の良さがストレートに伝わって来ます。言いかえると作曲家の代理人として演奏する事に尽きると思います。
 
 ギーゼキングの演奏は1945年盤(初期ステレ録音)も有りますが、1930年代にブルーノ・ワルター指揮のもと録音した方をお勧めします♪♪硬質で冴えわたるピアノの響き!!Neue Sachlichkeit(新即物主義)の権化ともいうべきピアノを、ロマン主義ブルーノ・ワルター指揮のオケが包み込み・・・素晴らしいの一言です!!!このCDのカップリングの4番は、若き日のベームの指揮が楽しめます♪♪
 ちなみに彼はバックハウスと違って練習嫌いだったようですが、テクニックは衰え知らずだったそうです。また、一度読んだ楽譜は終生忘れる事が無く、協奏曲は総譜を暗記して居たそうです。
 
 フィッシャーはベートーヴェンから連綿と続くドイツ本流の一人ですが、、ピアノのテクニックは上の2人には残念ながら及びません。ただし、リリカルな演奏と云う点で見直すと、後継者は育って居ても、匹敵しうるピアニストは居ない様に思います。
 フルトヴェングラーとのコンビで録音したこの曲ですが、意外に冷静に指揮して居る様に思います。ピアノはなんとも言えない雄大さと精神の高さ、そして古さを感じさせない、普遍性を感じます。


 個人的な一押しは・・・やはりバックハウスかな。三者三様に素晴らしい演奏ですが・・・、、それぞれに癖が有るので絶対の1枚っと云う訳にはいきませんね。
 
 しかし、前回の記事もそうでしたが・・・私の趣味は実に古い、、古すぎるかもしれないですねぇ~(笑)。