原始物狂の実践哲学!?

自分の好きな事、音楽と食べ歩きの記事が中心です。

国際紛争について考える為に

イメージ 1 最近、ブログの国際政治関係のアマチュア論を読んだりしていますが・・・見識不足も甚だしい・・・ので、、この本の紹介と成ります(笑)まぁ、、ネタが無くなるとこのシリーズが始まるとお考え下さい(笑)
 ジョセフ・ナイJr.(Joseph S. Nye, Jr.)の著書『国際紛争(原書第5版)』をお勧めします。
 既に原書第6版の邦訳も発売されていますが、あまり大きな相違点は無いので、、古本も手に入り易い第5版をお勧めします。
                                           ハーバード大学の学生の教科書ですから、、読み物としては面白味に欠けるきらいはありますが、、大変参考に成る著書です。
 古代ギリシャの紛争から始まり、、冷戦、エスニック紛争まで丁寧に解説してあります。これを読むと・・・つくづく人間は進歩していない、、いやぁ、、基本的な性質は2000年経っても変わらないと云うべきでしょうか(笑)
                                           『安全保障のジレンマ』、『バランス・オブ・パワー』、、我々が普通に考える事が、、既に古代ギリシャには存在し、しかも未だに決定的な回答が出ない状況は笑えませんね。

 アテネとスパルタはお互いにとって利益に成るとして休戦条約を結んだ。エピダムノスの事態やケルキュラとコリントの紛争の後でも、アテネ人たちは休戦条約を破る事には気が進まなかった。
 この考え方を変えさせたのが、ケルキュラ人の次の様な発言だったのである。

 「ギリシャ世界に3つの強大な海軍が存在する。アテネ、ケルキュラ、そしてコリントだ。もしコリントが我々をまずを支配下に置き、アテネが我々の海軍をみすみす彼らに委ねる様な事が有ればアテネはケルキュラとペロポネソスの両海軍の連合艦隊と戦わなくては成らくなる。
 他方、アテネが我々を自らの同盟に受け入れるならば、開戦するに当たって、自らの艦船のみならず、我々のものも当てにする事が出来るのだ。」

 アテネ人たちはペロポネソスとの戦争はいずれ不可避だと考えていた。もし戦争が不可避なら、アテネにとっては、ケルキュラの艦隊がコリントの手に落ちる危険を冒すわけにはいかなかったのである。
 古代ギリシャの人達を浅薄と笑う事が出来る政治家は…はたして我が国には何人居る事やら・・・。