7gの金と西インド諸島の人達
金と云うのは人を魅了して止まない金属です。金は化学的に安定して居るの、輝きが失われる事も無いし・・・準工業的にもかなり有用な金属です。
南アフリカの金鉱山は地下3,000mにも成ります、地下は50m毎に1℃上昇する成って居ますので・・・地上に比べて60℃も高い温度に成っている事に成ります。非常に深く過酷な環境ですから、産金のコストも決して安くは有りません。
金鉱山で金を産出するに当たって、重要な事は市場価格よりも産金コストが下回って居る事です。つまり低コストで金を産出すればする程に差益が生じる訳です。
その方法は2通り、非常に高い含有率の金山で採掘するか、採掘コストを低価に抑えるかの2つです。アパルトヘイト政策は単に情緒的差別主義だけでなく、所謂奴隷的労働力を提供させてる事で南アフリカの経済を支える、金やダイヤモンドの生産コストを抑える意味も有りました。
それは原住民が、長い時間を掛けて集めた金で装飾品を作ったりして居ました。彼らはあまり金に価値を感じて居なかったので、コロンブス達に気前よくそれらを渡しました。
これが悲劇の始まりでした。金への執着が薄いのは、それが大量に産出するからだと勘違いしたスペイン人達により苛斂誅求ない収奪が始まりました。
1504年から1521年の17年間に産出された金の総量は当時の英国金貨で100万ポンド程、その為に命を落としたのは115万人・・・1ポンド金貨1枚につき1.15人の人命が失われた訳です。
それを重さに変えるなら、約7gの金の為に西インド諸島の人達は1円玉7枚分の為に殺された訳です。ヨーロッパの富の蓄積と云うのはつまりこう云う事だった訳です。
こんな風に収奪された金によって、富がヨーロッパに蓄積され・・・現在社会が生み出された。そしてその現代社会はこう云った蛮行を非難して居ます。人間は本当に利口に成ったのかなぁ~~???