パウル・バドゥラ=スコダ ピアノリサイタルでGod bless us everyoneの巻
本日の席は1階6列目の20番、下の写真を見て頂けると解ると思いますが、ほぼセンターでかなり良い席です。音響的にはあまり前の席は良くないのでしょうけど・・ね。
私は奏者の息遣いを感じながら鑑賞するのが好きなので、、こう云う席だとCD等で楽しめない或いは気付かない発見が有ります!!。(実際にスコダ氏は演奏の間、結構声が出てました、、ピアノの端々に声が聞こえました)
余談ですが、、全くの偶然ですが御隣に席は6月6日の前田朋子さんのサロンコンサートでお会いした方でした。これにはお互いにチョッと吃驚です。。
世間が狭い事は知ってましたけど、、これ程狭いとはね(笑)。。それにしても、、あの時は私がキザな格好をして居たので覚えて居て下さったのだと思います(笑)。
次はベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109、前半の最後はブラームスの4つの小品 作品119でした。ベートーヴェンの調べのなんと美しい事か♪♪何度となく、あらゆる名人・上手が演奏する同曲を聴きましたが、特に第3楽章の美しさは尋常では無かった様に思います。
此処でチョッとしたハプニング(笑)。同曲を弾き終えて、、少しの間をおいてブラームス移る直前に拍手が起こってしまたのです。。最初はパラパラ、、次第に大きな拍手に。。スコダ氏もこれにはチョッと苦笑い。いったん奥に戻られて、仕切り直しでブラームスの作品と相成りました(笑)。
ブラームスには心底吃驚させられました!!椅子ごとひっくり返される様な・・・スコダ氏が奏でるピアノから発せられる、圧倒的なエネルギーをぶつけられました。なんとも表現しがたい体験ですが、体がゾクゾクと震えると云うか震わされると云うべきか・・・。。
いったん15分間の休憩をはさんで、後半のプログラム。先ず第1曲目はタカーチュ・イエネェーという作曲家がスコダ氏に献呈したパルティータ 作品58でした。
配られたプログラムの半分の紙面を使って、この曲について氏が解説して居ましたが、、演奏技術はともかく・・・、旋律は私の古い耳にはチョッと許容できませんでした。
同曲が終わった後、左目の端に、そそくさと入場する人影が映りました。結構大柄で・・何処かで見たぞ??あーーー!!会場の一部の方もその方が誰であった気が付いたようです。前から2列目のセンタブロック下手の端に座られました。
パルティータを弾いた後、いったん楽屋に引き上げて居たスコダ氏も、再入場の際に気が付かれた様で・・・チョッと驚いた表情をして居ました。
後半の2曲目はシューベルトのピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960でした。今回のプログラム、イェネーの曲を除けば、どれも作曲家晩年の最高傑作ですが・・・、それに応えるピアニスト パウル・バドゥラ=スコダ氏も本当に凄い!!
プログラムの全曲が終わり、、アンコールの時間へ。先ず1曲目はシューベルトの『楽興の時』(間違えて楽典の時と覚えてました。)、まぁ・・・なんて素晴らしいのでしょうねぇ~♪♪
そして奇跡は次の曲で起こりました。スコダ氏が日本語で「こんばんは」っと御挨拶された後に、「会場に友人が来ています。偉大なピアニストのイェルク・デームス氏です」っと紹介されました。
その後、スコダ氏はデームス氏を舞台に引っ張り上げ(修辞では無く本当に両手で引っ張り上げてました)て、二人でピアノの前に着席されました。
小柄なスコダさんは大柄なデームス氏の陰に隠れて見えなく成ってしまいましたが、モーツァルトの連弾『アンダンテ・コン・ヴァリアツォーニ』解りやすく書くとアンダンテと5つの変奏曲 ト長調 K501を演奏されました。実際に演奏されて居ても、、現実に起こって居る事とは到底思えませんでした。
二人の偉大な芸術家が奏でる、美しい旋律に私の心はトロトロに溶けて仕舞いました。この時の感動、感銘、感激は到底私の文章能力では伝えられません。4本の魔法の手が紡ぎだす至高の芸術作品を、少しも聴き洩らさない様にするために、ただただ聴き入るばかりでした。
そして本日の一番最後の曲はシューベルトのワルツ・・・だったと思います。アンコールで何を演奏して居たか、掲示を見なかったので・・・チョッとあやふやですが、、シューベルトのワルツだと云う事は間違いないです。
コンサートが終わってサイン会ですが、デームス氏がロビーをウロウロとしているじゃないですか(笑)。そういう訳で、すっ飛んで行って先日のコンサートが素晴らしかった旨をお伝えし、握手して頂きました。流石にピアニスト、大きな手でしたが柔らかくしなやかでした。