原始物狂の実践哲学!?

自分の好きな事、音楽と食べ歩きの記事が中心です。

名曲喫茶 その63 玄人の仕事とは


フランツ・ペーター・シューベルト(Franz Peter Schubert)

ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D574 作品162(Violin Sonata in A major,D574 Op.162)より

○第2楽章:Presto

ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク(Szymon Goldberg)

ピアノ:ラドゥ・ルプー(Radu Lupu)

イメージ 1 ゴールドベルグと云う人は、今は忘れられた・・・とても不運なヴァイオリニストです。
 
 フルトベングラー三顧の礼で招かれてベルリン・フィルコンサートマスターに就任。その時若干20歳の俊英、将来を約束されて居た事でしょう。
 ですが、1933年にナチスの圧力により、退団を余儀なくされ・・・アメリカに新天地を求めて移住。。
 その後は、ピアニストのリリー・クラウスとアジアの演奏旅行中に太平洋戦争に巻き込まれて・・・1942年~45年までジャワに拘束されてしまうのです。
 
 さて・・・その演奏ですが、、初めて聞くと・・・実に粛々と淡々と演奏されて居て、、もう少し我を出した方が良いのでは???っと・・・思ってしまいます。
 ですが、、これを2回・3回と聴き込んでいくと・・・実に謙虚に味わい深く滲みだしてくる演奏なのだと気が付かされます。。
 
 こう云う演奏スタイルは、、一見すると何もしていない様に見えますが・・・何もしていない訳ではありません。。
 作品の根幹をとらえて過度の虚装を、極力抑えて・・・本質を見せるっと云うのは正に玄人仕事の極みっと思いますが皆さんの耳には如何響きましたか???