名曲喫茶 その43 伝統美と心の融合
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach)
平均律クラヴィーア曲集 第2巻(Well-Tempered Clavier, Book 2 Nos.1-12, BWV 870-881)より
○第5番 二長調 BWV.874(Prelude and Fugue No.5 D major, BWV 874)
ピアノ:エドウィン・フィッシャー(Edwin Fischer)
平均律クラヴィーア曲集 第2巻(Well-Tempered Clavier, Book 2 Nos.1-12, BWV 870-881)より
○第5番 二長調 BWV.874(Prelude and Fugue No.5 D major, BWV 874)
ピアノ:エドウィン・フィッシャー(Edwin Fischer)
あらゆる流行に背を向けたエドウィン・フィッシャーの最良の演奏は、永遠の美で有る。その音楽はもったいぶらずに誠実で有り、「感動」と云う言葉に新しい意味を与える。 作品は最初の音から最後の音まで、あたかも一つの呼吸のように伝達される。フィッシャーは無邪気な簡潔さと、巨匠の繊細さと知恵を結びつけるといった、予期せぬ事をやってのける。 彼の制御は時々性急さが目立ったり、神経過敏に成る事により妨げられる事が有るが、この有名な48曲、ことに第1完の後半ではその様な束縛とは無縁の彼の音楽を聴ける。 私にとってその結果は魔術的で有る。フィッシャーの比較を絶する程に輝く音の内側にある温かさは、現代の録音技術によって磨かれた1933年~36年の録音にも理想的にとらえられて居る。 アルフレート・ブレンデル
私の拙い文章でクドクド書くよりも、お弟子さんのブレンデルの寸評の方が余程伝わるかと・・・。。